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UNIXたん その11

ネットワークの仕組み

ネットワークの仕組みは実に複雑なものですが、以下のことを知っていれば十分使えます。

ネットワーク上ではコンピュータはホストといい、自分が直接操作しているホストをローカルホスト、ネットワーク越しに遠隔操作するホストをリモートホストといいます。

ネットワーク上では各々のホスト(正確にはネットワークインターフェイスだが、そんなことは気にしない)には2種類の名前が付いています。IPアドレス(こちらが正式), ホスト名です。これらの名前の対応関係がちゃんと管理されていることが重要。

IPアドレスとは、32ビットの数情報(IPv4)で表される名前で、8ビット*4に区切って「64.233.189.104」などと書かれます。インターネット上ではIPアドレスとネットワークインターフェイスが1対1に対応しています。

ホスト名とは「www.google.co.jp(完全に記述した場合)」など英数字で表される名称のこと。DNSによってインターネット上ではホスト名が一意になるようになっていますが、1つのネットワークインターフェイスに複数のホスト名が対応していることもあります。

hostname

現在のホスト名を表示します。無害

root なら、hostname **** とすることでホスト名の変更ができます。

nslookup

ネームサーバに問い合わせて、指定したIPアドレス(またはFQDN)を相互に変換します。無害
FQDNとは、ホスト名をドメイン名まで省略せず完全に記述したものです。

ping

指定したホストとのパケットの送受信ができるかどうか調べます。ほぼ無害

返答があればネットワークが正常に働いていることが分かります。
-c 回数 オプションを付けると、パケットを送受信する回数を指定します。指定しないと永遠に送り続けます。

traceroute, tracepath

指定したホストまで、ネットワークがどのように繋がっているかを調べます。無害

-S オプションを付けると、パケットのロス率が表示されます。

rup, ruptime

ネットワークに繋がっているホストの現在の状況を報告します。無害

rusers, rwho

ネットワークに繋がっているホストにログインしているユーザを調べます。無害

finger

現在ログインしているユーザの情報を表示します。無害

引数を与えないと、現在ログインしているユーザの一覧を表示します。
finger ユーザ名 とすると、指定したユーザについての情報を表示します。

talk, ntalk

指定したユーザと筆談をします。ほぼ無害

リモートホストの操作

ここからがお楽しみ。
リモートホストを操作する権限を持っていないと操作できない、ということに留意。
sftpが実装されていないシステムもありますが、そのような場合にはscp, sshを使うようにし、なるべくrcp, ftpは避けましょう。

rsh

指定したリモートホストでコマンドを実行します。ほぼ無害

rsh -l リモートホストでのユーザ名 ホスト名 "コマンド" とします。
ローカルホストでのユーザ名とリモートホストでのユーザ名が同じ場合は、-l オプションを省略して rsh ホスト名 "コマンド" とできます。

ただし、リモートホストのホームディレクトリに .rhosts というファイルがあり、遠隔操作を許可するローカルホスト名(と、ユーザ名)が書かれていないと動作しません。

ssh

指定したリモートホストでコマンドを実行します。無害

使い方は rsh と同じですが、情報が暗号化されているので通常はrshでなくこちらを使います。
また、.rhostsの設定をしていなくても使うことができます。

telnet

指定したリモートホストにログインします。ほぼ無害

ただしこれはセキュリティ上の問題点があるため、sshをお勧めします。

rlogin

指定したリモートホストにログインします。ほぼ無害

ユーザ名や .rhosts の扱いは rsh と同じです。
ただしこれはセキュリティ上の問題点があるため、sshをお勧めします。

rcp

指定したリモートホストとの間でファイルを転送します。ほぼ無害

rcp ファイル1 ファイル2 とすると、ファイル1をファイル2にコピーします。
ファイル2にディレクトリ名を与えると、ディレクトリの中にコピーします。
リモートホスト上のファイルは ログイン名@ホスト名:ファイル名 という形式で指定します。

ユーザ名や .rhosts の扱いは rsh と同じです。
ただしこれはセキュリティ上の問題点があるため、scp, sftpをお勧めします。

ftp

リモートホストとの間でファイルを転送します。ほぼ無害

ftpにおけるコマンドは以下の通り。

open … リモートホストに接続する。
close … リモートホストへの接続を切断する。
user … パスワードを間違えた場合、ログインし直す。
ls … リモートホストにおいてファイル一覧を表示。
lls … ローカルホストにおいてファイル一覧を表示。
cd … リモートホストにおいて指定したディレクトリ(指定しないとホームディレクトリ)に移動。
lcd … ローカルホストにおいて指定したディレクトリ(指定しないとホームディレクトリ)に移動。
pwd … リモートホストのカレントディレクトリを表示。
lpwd … ローカルホストのカレントディレクトリを表示。
bye, exit, quit … ftpを終了。
get … 指定したファイルをリモートホストからローカルホストに転送。
put … 指定したファイルをローカルホストからリモートホストに転送。

ただしこれはセキュリティ上の問題点があるため、scp, sftpをお勧めします。

scp

指定したリモートホストとの間でファイルを転送します。無害

使い方は rcp と同じですが、情報が暗号化されているので通常はrcpでなくこちらを使います。
また、.rhostsの設定をしていなくても使うことができます。

sftp

指定したリモートホストとの間でファイルを転送します。無害

使い方は ftp と同じですが、情報が暗号化されているので通常はftpでなくこちらを使います。

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